2013年12月23日月曜日

自然にからだが歌い出す

ピアノは上から下へ下げて弾いていくというイメージが強いのですが
実は、上がりながら弾いていくと音がフワッとキレイに響いていきます。

カツンカツンに次々と音を弾くと
どうしても詰まっていってしまい
音の満員電車という感じでしょうか・・・

う~ん音は沢山聴いたけど、何だったんだろう?
ということにもなりかねません。

弾き心地が良くなくて、体が固まってしまうんです。
という方がいました。
脇に腕が付いていて肘から先だけで弾いてらっしゃいました。

「音が硬い」という悩みも抱えてらっしゃいました。

ピアノは、指だけでは弾かないこと
手首や肘、肩、肩甲骨まで、全て動かしていること
を説明して
1つ1つのテクニックを取り出して練習してみました。

譜読みはすぐに出来てしまう方ですが
あえて片手ずつ練習してもらいました。
その方が、目が届くし、自分が改めてどうやって弾いているかに
注目して欲しかったからです。

3回目のレッスンの始まりに「練習しててくださいね。」と
わたしは席を外し用を済ませ戻ってきました。

さぁ、レッスンを始めようとピアノを弾かれている姿を見たら
体験レッスンでは、微動だにしなかった生徒さんの体が
メロディのフレーズと共に自然に動いているではないですか!!

しばらく、それを幸せな気持ちで眺めておりました。

そうだよね、音楽の呼吸と共に自然に体も歌いだすんだよね。

生徒さんが間違いなく良い方向に歩き出していること
その体の動きや音に解放感が感じられ
弾き方だけでこんなに変わってしまうものかと
改めてピアノ奏法の深さを思い知らされました。

これからは、伸び伸びと心地よく
ピアノを楽しまれるんだろうなぁと、とても楽しみです。

2013年11月7日木曜日

憧れのピアノ

生徒さんが、レッスンの見学をしたいというお友達を
連れて来てくださいました。

レッスンの前に、お二人のピアノとの出会いのお話を
聴かせて頂きました。
とても興味深かったです。

お二人共、まだ、ピアノが珍しかった頃
学生時代を過ごしています。

学校の体育館にしか、ピアノが無くって
お昼休みはピアノを弾きたい女の子達が
順番待ちの列を作っていたそうです。

でも、ピアノを習っている人が先に弾いていいという
決まりになっていて、
その人たちが弾き終わった後、順番が回ってくるのだそうです。

「でもね、いざ、自分の番になっても
何を弾いていいのか、わからないのよ。
だって、習ってないんだもの。」

そーっと、鍵盤におそるおそる触る少女の姿が思い浮かびます。
でも、色んな音がして、その時間はきっと特別な時間だったんでしょうね。

「バイエルが欲しくて、欲しくて、たまらなかったの。」

バイエルといえば、ピアノを習った人も、習ってない人も知っている
ピアノ教則本の代名詞のような教本ですね。

わたしも入門時にやりましたが、白黒のそっけない感じの楽譜に
ただ、淡々とやってたかな?
進んでいくのは嬉しかったんですけど

きっと、少女だった生徒さんは、バイエルを手に入れれば
憧れのピアノが上手に弾けるようになるに違いないと
思ったんでしょうね。
その、真摯な思いに胸がキュンとなります。

それから、大分、時が過ぎて70代の時に
念願のピアノを習い始められ、
それを機にピアノも買ったんだそうです。

願いって叶うんですね~
憧れのピアノを手に入れられたんですもの^^

残りの人生は、自分の好きなことをやると決められて
今まで、沢山大変だった時間を過ごされてきたからこその
その決心とピアノに対する深い思いを感じました。

わたしが弾いたブルクミュラーの可愛らしいエチュードを
キラキラした瞳で聴いてくださったことが嬉しかったです。

自分が、とても恵まれてること、これが普通ではないこと
いつも忘れないでいたいと思いました。

2013年9月27日金曜日

嬉しい言葉

小さな音楽会を開催後、会に参加してくださった生徒さん、お客様から
沢山、思いがけないすてきな感想をいただきました。

みなさんの演奏を聴いて感想を切り絵で表現する
というのが、とてもたのしかったということでした^^

生徒さんは演奏者であり、聴き手でもあって
演奏することにもドキドキして
他の方の演奏にも、よーく感覚を研ぎ澄ませ聴いていただき
それはそれは、忙しかったと思うのですが、
演奏の合間に違う作業が入ることで、
自分の演奏にもリラックスして、臨めたということでした。

そのせいか、リハーサルで緊張していた子供たちも
なぜか?本番の方がよく弾けるという
不思議な事態になりました。

わたしも初めての試みでしたので
会の流れが切れ切れになってしまわないか?
コラージュを行う主旨がよく伝わるかどうか?
など、心配だったのですが、
(コラージュがどんな出来上がりになるかどうかもわからないし・・・)

演奏した方は、ほかの方が皆で作ってくれた
自分だけのコラージュに、
皆さんからの心のこもった温もりと
自分の演奏に対する誇らしさのようなものが芽生えたと思います。

音楽は空気のように消えてなくなってしまうけど、
「こう思ったよ!こう感じたよ!」というみんなの感想が
コラージュとして残って、
わたし自身は、ちょっと恥ずかしいような・・・
でも、抱きしめたーい気持ちでした。
みんなありがとう!!

切り絵に付いてる両面テープを剥がして
台紙にペタペタ貼っていったのですが、
これが、指先の細かい動きの意識に繋がって
演奏でも指が動いた!など
一石二鳥なこともあったようです。

発表会後、色々な刺激を受けて
さらに、真剣に取り組もうと決意する方
今度はこれやりたーいと宣言してくれる方

意志が明確になり、輝き出す方が多いです。

みなさんが、次の晴れ舞台でも笑顔になれますように
1つ1つのステップをサポートさせていただきますね。

2013年9月16日月曜日

小さな音楽会、無事に開催できました♪

昨日、無事に生徒さんたちの晴れ舞台「小さな音楽会」を終えることができました。
先週、半ばからの台風の予報・・・
何ヶ月も前から準備して、生徒さんたちも練習を重ねてきたのに
本当にガーン!!という感じでした;;

当日、朝、やっぱり大雨・・・
会場のオーナーさんとご相談して一週間後にしようかと
悩んだりもしましたが、決行することにしました。

搬入の時間は大雨だったのですが
リハーサルが始まる頃から、小雨、、、アレ?晴れてきました^^

開場時間だけでもいいから晴れててー!!
いや、どうせなら、閉会してみんなが駅に辿り着くまで晴れててー!!

そんな願いが通じたのか、見事に最後までお天気がもちました。
ありがたかったです。

今回のテーマは「聴くこと」
切り紙を使い曲を聴いた感想をみんなでコラージュしていきます。
初めての試みでしたが、とても面白かったです。

トトロの「さんぽ」を聴いて皆で作ったもの



何となく、グリーンが多かったり映画「となりのトトロ」の雰囲気ありますよね。

堂々とした感じの曲にはゴールドが多かったり、
フワッとした柔らかい曲にはピンクやハート
リズムのある軽やかな曲には切り紙を貼る配置にリズムを感じたり

皆で作っているのに(一人2枚ずつ選んで貼ります)
出来上がったものは統一感を感じさせ、ちゃんと物語が出来ているんです。

皆さんアートの才能もあるんですね。

スタッフの方のショパンのノクターン5番の演奏には・・・



わたしもノクターン8番弾きました。こんな感じ




わざわざこんなことをしていただいたのには、良い悪いという枠にとらわれず
感覚で音楽を聴いて欲しかったからです。
「聴く力」は才能なんかではなく、習慣、練習だと思います。

感覚で聴いていいんだ、という許可を自分に与えてあげれば、
自由で楽しい世界が待っていると思います。

今回、みんなでやったことが種となって
こころのどこかに根付いて欲しい。
これから音楽やピアノとずっと仲良くしていく力になればと思います。

猛暑の夏を経て、一生懸命練習に取り組んでいただき
素敵な演奏をどうもありがとうございました!


2013年7月29日月曜日

聴くこと、見ること、感じること



このところ、色々な模様の折り紙をチョキチョキと切っています。
教室の「小さな音楽会」で使うためですが、
今回は「聴くこと」がテーマ。

聴き手の感性を育むことが、目的です。
もちろん、演奏者も他の方の演奏を聴く時は
聴き手になります。

音楽でも・・・絵でも・・・
「わからないから~」と自分の感想を言うことを敬遠する方も
多いですよね。

芸術に触れて、人は何かしら心揺さぶられると思います。
自分とフィットしないこともあると思いますが、
それも含めて何かしら感じていると思います。

「こんな気持ちになった。」
「こんなイメージが湧いてきた」等・・・

頭で考えるのでなく、ハートで感じることで
普段の生活では、得られない
違う世界を見ることができたりもします。

「良い、悪い」で、斬るのではなく
自分の心の中のどの部分が反応しているのだろう?と
観るのも面白いと思います。

用意した切り紙は、言葉の代わりに色や形で
音楽を聴いた感想を表現してもらい
みんなで、コラージュを共同制作をしてもらおうと思っています。

どんなコラージュが出来上がるか、とても楽しみです。

前に友人が出品した書道展に行き
1つ1つの作品が素晴らしく泣いてしまったことがありました。
わたしは、書道を習ったこともなく、技術的なことも何もわからないのですが
そういうものを超えたパワーが伝わってきました。

それを、同じく書を勉強している方にお話したら
「そういうことを感じられるあなたも素晴らしいんですよ。」と言われ

「表現者も観てくれる方も同等、観客がいて作品の存在が輝いてくる。」
と教えてくださいました。

確かにそうかも・・・と思います。
わたしの演奏を聴いた方から、こちらが意図してないことまで
感じ取られ伝えられたことも、たくさんあります。

1つの表現が「聴き手」の中で反応し、多彩な広がりを見せ始めるんですね。

「小さな音楽会」で、会場に集まる方々の
ハートが大きく開いて色々なものが飛び出してくるのを楽しみにしています。

2013年7月13日土曜日

お母さん見て!!

小さなお子さんだと、まだ、一人でレッスンに
通ったりできないので
その期間、ご両親が付き添いされ
レッスンも見学されることが多いです。

新しく始めたばかりのピアノ
新しい先生
覚えなきゃいけないたくさんのこと

最初は慣れないことばかりですし
小さな生徒さんは、クタクタになってしまうかもしれません。

そんなレッスンの中でも
「うまくできたね。」とわたしが褒めた時
「あれ~?」ちょっと間違えちゃった時も
みんなする行動があります。

それは、お母さんの顔を見ること。
褒められたときは得意そうな顔で
失敗しちゃったときは、恥ずかしそうに・・・

その姿を見る度に、「お母さん」の存在の大きさに
かなわないなぁ~と思ってしまうのです。

どんな時も自分の気持ちや様子を共有していて欲しい
お母さんはどう思っているんだろう?
そんな気持ちが伝わってきます。

家での練習について訊ねられることも多いのですが
一人ぽっちで練習するというのは
子供にとってはとても孤独で不安な気にもなるものです。

小さいうちは、側に居て「お母さんは見ているんだよ。」と安心させて
あげるといいと思います。

教えているうちにイライラして怒ってしまうという話を
よく聞きますが
一方的に「こうでしょ。」というのではなく
一緒に考える、一緒にわからないところを解決していく
という方がオススメです。

「ピアノって難しいね。でも、ここまで進んだね。」と
子供の気持ちに寄り添い共有することが大切だと思うのです。

中には一人で黙々と練習する子もいます。
じっくりと取り組むのが得意な子、
ピアノの世界に惹かれて楽しむことを覚えた子は
逆にあまり干渉されたくないようです。

それでも、「あなたの演奏、聴いてたよ、よかったよ。」と
関心をもってくれることは、本当に嬉しいものです。

誰かが見ていてくれる。聴いてくれている、というのは
心にハリが出るものです。
がんばろう!きれいに弾けるようになりたい!と自然に思えます。

ご家族やお友達がピアノの練習を頑張っている時
少しの時間、耳を傾け聴いてみてあげてください。

あなたの頑張りを見てますよ、ちゃんと聴いてるよ
という様子に
励まされ長い道のりも歩き続けようと思えるのです。

2013年6月21日金曜日

手が小さくてもピアノは弾ける♪




わたしの左手の写真です。
大きさを測ってみたら(初めて測りました。)
手の平の一番広いところの幅が8センチ
中指の先から、手首までは、15.8センチでした。

う~ん、ナルホド・・・
いつもお世話になってはいましたが、
正確な大きさは知らなかったので
感慨深いです。。。

子供の生徒さんが、小学4、5年生になる頃には
ほとんどの方がわたしより大きな手になられます。

・・・ということで、うちの教室では、
手が小さいことや、指の長さがたりな~いということは
ピアノが弾けない、という言い訳にはなりません^^

「だって、指が・・・」と言いそうになるものなら、
「先生、OOちゃんの手より小さいけど弾けてるよ!」
ということになってしまいます。

もちろん、一度に沢山の音を掴む和音など
物理的にムリなこともありますが、
手の状態と、指の間の柔らかさで
なんとか、しのげてしまうものも沢山あります。

わたし自身の経験から、手がまだ柔らかい子供のうちに
指のストレッチや、苦手な使えない指を作らない。
ということに気をつけています。

手首の柔らかさもとても重要だと思います。

小さい頃、ピアノの先生に
お風呂の縁のところで、指を広げるストレッチをしてね、
と言われていたのを、生真面目に守ってやっていたら
親指と小指は横一直線に広がるようになりました。

指と指の間も、和音をあきらめず弾いていたら
広がるようになりました。
オクターブのある曲は、
本当に嫌で嫌でやりたくなかったのですが
指を広げる時に、伸ばし緩めながらしていたら、ラクになりました。

薬指がうまく使えなくて、いまは音が出なかったり・・・
4と5、3と4の指の間が広がらなくても・・・
使い続けていると、使えるように広がってきます。

せっかく5本指があるのだったら、
全部使える指にしようよ!と伝えています。

ピアノの鍵盤は88鍵あります。
両手を合わせて10本の指でも
幅広くピアノを使う場合は、大忙しですよね。

手が小さくても、弾けるようになるコツは沢山あります。

何も考えないで弾けてしまうのは、本当に羨ましいと思いますが、
この手のおかげで無駄な動きをしないで弾くことを
手を観察しながら考えるクセがつきました。

いまになって思うと、大きな収穫だったかな、と思います。

2013年5月30日木曜日

音のエネルギー

「虹の彼方に」という有名な曲があります。
冒頭のメロディ、最初の音からいきなり1オクターブ上の音へ

演奏していたわたしは
「そんなに簡単に弾かないで!」とジャズピアノの先生に言われてしまいました。
はじめは、何を言われているのか分からず・・・

先生はそのメロディを歌ってみせてくれました。
お腹に力を入れないと、いきなりのオクターブは
とても歌えません。

音と音の間に繋がるエネルギー
まさに虹が空に掛かるように、大きく伸び伸びと
広がる力強いエネルギーです。

わたしは、音を点と点としてしか、捉えていませんでした。
ただ、音が移動しただけ
音と音の間を意識できていませんでした。

それ以来、メロディを口に出して歌ってみることは
大切だと思ってきました。
ピアノの鍵盤上では、指を少し動かしてポン!と簡単に
弾けてしまうことが落とし穴なんですよね。

指を動かすことに気を取られ
指で歌うことがおざなりになってしまいます。

ジャズのレッスンでは、いわゆるスキャットと言われるものを
歌いながらフレーズを弾くことをよく練習させられました。

ちょうど、おしゃべりのイントネーションみたいに
細かいアクセントや、強弱が付くので
その微妙な表現を口で歌うことで
指に繋げていく作業でした。

クラシックの場合は、長い音を使ったメロディも多いので
音が伸びている間
音と音の間
音がどこへ終着していくのか?
大きな流れ、エネルギーが動いていくのだと思います。

五線譜の横のラインに交わる
音符の縦の線ばかり見ていると
音楽の流れが想像できなくなってしまいます。

前に切り絵作家の蒼山日菜さんの
楽譜を切り絵にした作品を写真で見たことがありました。

立体的な楽譜といった感じです。
五線が曲線にもなっていて美しかった☆
音楽が聴こえてくるようでした。

こんな楽譜だとイメージしやすいのになぁと
思った記憶があります。

エネルギーが動いて流れていくことを
いつも体感しながら弾いていけたら、と思います。

2013年5月9日木曜日

レッスンバッグ

楽譜を持ち歩くのに欠かせないのが
レッスンバッグですね。
A4サイズの楽譜を何冊か入るバッグというと
丈夫で大きさもあって・・・と選ぶと

よく友達からは「お医者さんバッグみたい。」とからかわれました。
わたしだって、みんなみたいな可愛い小ぶりのバッグ持ちたい!

でも、使用頻度が多いので、結局からだのわりには
大きなバッグばかり持ち歩いていましたね~

ちいさな生徒さんはカラフルな素敵なレッスンバッグを
持ってきてくれます。
お母さんの手作りだったり、ト音記号や音符、鍵盤が描かれたもの

自分で作ったマスコットが付いていたり、
いまは可愛いバッグがたくさんあるんですね。

「のだめカンタービレ」ののだめちゃんが
鍵盤柄のレッスンバッグを持っていましたよね。
てんとう虫も付いていたかな?

あれ以来、黒がベースの大人も持ち歩けそうな
鍵盤柄のレッスンバッグを楽器店などで
見かけるようになりました。

わたしも1つ欲しいな~と思っています。

鎌倉でのレッスンの帰り、電車に乗って
シートに座ると
お隣の年配の男性が鍵盤柄のレッスンバッグを
抱えているのに気付きました。

同じ音楽を勉強する仲間
親近感がわきます。

楽器は持っていないようだけど、何を習われているんだろう?
バッグから楽譜を取り出されて、目を通している様子です。

目に入ってきた楽譜には、エチュードと書かれている短い曲で
音を1つ1つ取られているようでした。

これからレッスンなのかな~
ひたむきな思いに心が熱くなります。

何かを学び続けるということは
体の中から自分でも思いもよらないパワーが
出てきたりもします。

そして、その一途さは見ていて
本当に清々しく気持ちが良いものです。

2013年4月25日木曜日

曲のイメージ

ドビュッシーの「ノクターン」を練習していた時に
最後まで通すことはできていても
演奏していても違和感があって、しっくりきていませんでした。
楽譜通りに弾いているのに、音楽表現もつけているのに・・
曲が姿を見せてくれないのです。
遠くに居る感じです。。。

そんな様子をわかられたのか
レッスンでわたしが前奏部分を弾いたあと

「どんな雰囲気がしますか?情景はどんな感じでしょう?」
と先生が聞いてくださいました。

先生に助けられながら、前奏部分は
朽ちた建物、ところどころ蜘蛛の巣が張っているような
以前、何かあったけど今は何もない、夢の跡
そこにわずかだけど美しい一筋の光が差し込んでくる様子が
イメージできました。

一度イメージができると今までバラバラのピースのように
思えていた部分にそれぞれの物語があり
強固な橋ではなく、ドビュッシー特有の危うい柔らかな橋でつながれたり
または、瞬間的にスーッと場面が夢のように消えていきました。

わたし自身がこの幻想の世界に入っていくと
それはそれは楽しくて
この世界を味わいたいがために、繰り返し弾きたくなりました。

こんな経験は初めてでした。

「あ~小さな頃から、こんな楽しい経験ができれば、
もう少しピアノも練習したかもしれない。」と思いました。

ファンタジーが大好きで読みあさっていたので
自分でお話を考えたり自分の作った世界で遊ぶのが好きでした。

ピアノの曲は題が付いている曲を弾けるのを楽しみにしていました。
ささやかな挿絵と題名で、曲のイメージが弾く前から大きく膨らんでいました。
通常は番号のついた曲ばかりで、つまらなかったです。

でも、ピアノレッスンでそんなことを聞いてくれた先生はいませんでした。
指使いや音の間違え、フォルテとピアノ
フォルテとピアノはボリューム調整のように思え

音楽を聴いたときに感じる高揚感とは程遠いものに思えました。
ただ、とにかく楽譜通りに弾かないといけないんだ。と胸に刻まれました。

自分がピアノを教えてみると
小さな子供のレッスンはとにかくやることが多くて
生徒さんも大変だし、先生も大変です。
どうしても余裕がなくなってしまうけれど

生徒さんと一緒に曲を楽しむこと、
どんなイメージが浮かぶか?どんな気分になるか?
そんな時間を大切にしたいと強く思いました。
それが音楽が生まれた理由ですものね。

楽譜に書かれた音をそのまま鍵盤に移すだけでなく
その音、響きが何を物語っているのか?
一緒に探していきたいと思っています。

2013年4月13日土曜日

思い出の音楽

縁あって今月より、着物リメイク教室の片隅をお借りして
キーボードを使用してのピアノ教室を開くことになりました。

きっかけは、リメイク教室に通う生徒さんが
昔、弾いたり歌ったりした懐かしい童謡や流行歌を
弾けるようになりたいというものでした。

当初は、ピアノを探していたのですが
なかなか見つからず、
また、着物の生地などを求めに来るお客様の出入りもあるということで
大きな音のするピアノより、音量調節の出来るキーボードの方が
良いかもしれない・・・と
生徒さんのご了承を得て、やってみることにしました。

ご希望の昔の童謡曲集を探しにYAMAHAに行くと
シニア向けの楽譜の見やすいものが見付かりました。

ソナチネまで進んだことがあるということでしたが、
久しぶりの再開ですので、やさしいエチュードや
譜読みの説明が必要な場合のための五線ノートなどを
用意していきました。

レッスンを始め、最初は易しいものから~と
エチュードをやってみると、難なくできてしまうので
それでは・・・と弾いてみたい曲は何ですか?と
曲集の中の1曲を譜読みしていきました。

あっという間に両手OK.

「スゴイですね~!」
「イヤ~でも、何だか緊張するわね~~」

確かにピアノを弾くことは同時に色々な作業をして
そして流れていかなければいけないので
集中力が必要なんですね。

そして、中学生の時に弾いたというソナチネを暗譜で弾いてみせて
いただきました。
まぁ、良く指も動いている!

「この曲集じゃ物足りないかもしれないので、ソナチネの続きとかをされます?」
とお聞きしたのですが、

「ううん、いいの。歌って弾ける方が楽しいから。」

ナルホド~~

わたしなんか、ガツガツしていて
あれも弾きたい、これも弾きたい
まだ、これも弾けてないし、
あ~前に弾いたのが忘れて弾けなくなってるー!!とか、

欲だらけですが・・・

わたしが70代になって、心から弾きたいと思う曲って何だろう?
その時、音楽に対して何を求めているのかな~?

青春時代によく歌った曲を
「懐かしいわね~」と言いながら弾かれて
当時のことも思い出されているようでした。

わたしが夫とよく80’sを聴きながらそれぞれの学生時代の笑い話をするのと
同じでしょうか。。。

音楽と思い出って結びついているんですよね。

声もとても美しい生徒さんの弾き語りが
どんなふうに進化していくのか
これからのレッスンがとても楽しみです。



☆もし、こちらのシニア向けの教室に興味をもたれた方がいらっしゃいましたら
こちら→manami1044☆gmail.com(☆を@に替えてください。)まで、どうぞ。
詳細をお知らせいたします。(東横線大倉山駅から6分くらいの場所になります。)

2013年4月3日水曜日

舞台に立てるということ

3月は毎週演奏会を聴ける機会に恵まれ
プロのリサイタルから中学生のブラスバンド部の演奏まで
様々な楽器、形態の演奏を楽しむことができました。

自分も師事している宇治田先生の門下生の発表会に
参加することができました。

楽器を学んでいると、やはり舞台に立ってお客様に聴いていただくのは
励みになります。
目標があると、力も引き出されて頑張れるんですよね。

本番当日までの道のりは、本当に人それぞれだと思いますが
真剣さ、ひたむきさは、みんな共通だと思います。

何回も経験しているのに、本番までの仕上がりがうまく進まなかったり
本番近くなってくると
「なんで、出るって言っちゃったんだろう?」と今更出来ない後悔をしたり。。。
うまく弾けない曲や指を責め
「も~ヤダ!」と自分で決めたことなのに逆ギレをしたり。
ブツブツブツブツ、文句が多くなったりします。

夫が見に来てくれると言っているのに
「見に来なくていいよ。」と冷たく言い放ったり。。。
ヒドイですよね~

自分の番が来て、演奏しつつ・・・
わたし、客席からどう見られているんだろう??と
演奏に集中していない心の声が聴こえます。
どんどん続くブツブツ声・・・

ハッ!と我に返りました。
せっかくのステージなのに不満ばかり・・・
うまく弾くことばかり考えている。

ここに立てること、演奏を聴いて下さっている人が居ること
わざわざ、駆けつけてきてくれた方達
何より大好きなピアノを弾いているのに。。。
わたし、感謝が足りなーい!!と思いました。

するとブツブツ声も止み、
とりあえず最後まで一生懸命弾こう、と思えました。
フッと力が抜けて、弾くことに緊張しながらも
集中していました。

心の声がうるさくて、曲の表現に心を配れなかったのが
心残りでしたが、良い勉強になりました。

3月は沢山の方々のステージを見せていただいて
みんな楽器を愛しているんだなーと思いました。
ピアノはライアー(竪琴)のように抱きかかえられないけれど
本当は抱きしめたいくらい。

ステージで、わたしに胸を貸してくれたピアノさん。
毎日、練習に付き合ってくれた家のピアノさん。
本当にどうもありがとう。

2013年3月12日火曜日

声を出すこと

ピアノのレッスンだけでなく
譜読みの力をつけるために
楽譜をドレミで唄うソルフェージュのレッスンも
行っています。

大人になってからピアノを始められた方も
ご希望があれば行っていきます。

わたしが指導を始めた頃より
子供たちの声が出にくくなっているかな~と
感じます。
子供たちは、放っておいても大きな声で歌うもの。
というイメージが強かったのですが
最近は、そうでもないようです。
声が出る音域も狭くなっているような気がします。

外遊びをしなくなったことも原因かもしれません。
子供が公園で、声を出して遊んでいると
怒られてしまう時代ですものね。
防犯意識の高まりや
なかなか、外で遊ぶ状況でないのかもしれません。

でも、「おーい!OOくん」とか
お腹から出す声が発声へと繋がるのですよね。
声の出し方を自然に学んでいるのでしょう。

高い音域は、お腹に力をいれていないと出せません。
昔は自然に身に付いていたことを
改めて、レッスンの中で、説明します。

思いっきり大きい声を出して
オペラ歌手の人のモノマネみたいにして
遊びながらやってみます^^

声をしっかり出してみないと、ドレミファソラシドの
音の高さ、音程も取れないのです。
まずは、恥ずかしがらないで声を出すこと。

歌うことは、もちろん、ピアノを弾く上でも大きな力になります。
カラオケは、良いと思いますよ~
何より、歌うこと、声を出すことは、楽しくてスッキリ!しますよね。

ご家族が普段から歌を歌ったりしていると
子供たちにも影響するようです。
歌うことを楽しんでいる姿、声を出すことを許されている環境

できたら、家族皆で楽しく声を合わせて歌えるといいですよね。
歌うことには、慣れが必要なんですね。
意外と歌うことに抵抗がある子供も多いです。

「めちゃくちゃな歌を作ってうたっているんです。」とか
「ピアノで弾いているんです。」とご父兄の方からお聞きすることもありますが、
遊び歌い、遊び弾きは、どうぞ「イイネ~♪」と
沢山誉めてあげてください。
遊びながら学んでいるんですね。

自分で作る歌や曲は自由に作れて
間違いを気にしないでいいところが楽しいところです♪

その子の世界が音楽を通して生まれてくる瞬間なんですね。

2013年2月28日木曜日

家でのピアノの練習

様々なお稽古事がありますが、
ピアノの基本的なレッスンの形は
週に1度、先生と一緒にピアノレッスンをし
他の日は、自宅で練習するというものです。

自宅での練習の方が、圧倒的に時間が長いのです。
ということは、同じようにピアノレッスンに通っていても
自宅練習によって、大きな差が出てしまうということなのですね。

これを、まだ、小さな生徒さんに理解してもらうのには
なかなか大変です。
「おうちで練習してね。」だけでは
なんとな~く聞き逃してしまっていると思います。

だからといって、毎回、コワイ顔を作って
ピリピリムードでレッスンするのも
お互い辛いですよね。
からだの力も抜けてきませんし・・・

ピアノレッスンには、いそいそと通ってきてくれて
レッスン中もよくお話を聞いてくれ理解できる生徒さんでも
なかなか、自宅練習が苦手だったりします。

学校で、掛け算や割り算を習って
数字にも身近に接している時期
数の力を借りることにしました。

まず、ピアノのレッスンの時だけしか、
ピアノを練習していないとすると

30分レッスンの人は、30分×月4回のレッスンで120分
「120分は何時間?」と聞くと
「2時間」とすぐに答えられました。
「2時間というと、学校の時間割の2時間目くらいまでだよ。
1ヶ月にコレだけしか弾かないということ。」
と説明すると
ちょっと、ビックリしてます。

ピアノに来ない残りの6日
15分だけでも毎日練習する人は、
1ヶ月で、15分×30~1日=450分~465分

1日置きに30分練習する人は
30分×15日=450分

毎日30分練習する人は
30分×30~1日=900分~930分!!

さっきのレッスンだけの練習の人と比べると
差は歴然。

わたしも説明しながら、数字って説得力あるな~と
感心してしまいました。

「OOちゃん、おやつは毎日食べるの?」
「うん」
「おやつは忘れないんだ?」
「ウン!」
ハイ、わたしもおやつは忘れません^^

「じゃあ、おやつの前か後に練習するようにしようか?」
と毎日少しずつ練習すると決めた生徒さんに提案してみました。

もちろん、練習にかける時間だけでなく
内容も大切ですが、まずは、習慣をつけること。
ピアノの前に座ること
座って弾き始めれば、案外、夢中になって弾いてしまうものです。

ピアノを弾かないと、なんか、気持ち悪い感じがするな~
と思うくらいになると、習慣化したことになりますね。

ピアノが無い環境へ行くと、手持ち無沙汰で落ち着かなかったりします。

しかし、数にすると、説得力がありますねー
明日からやろうと先延ばしにしていること
今日は、マァ、イイカ・・・と抜け抜けになっていること

生徒さんにお話しながら、自分にも言い聞かせているようでした^^;

そして、励みになるのは、毎日少しずつでも必ず力になるということ。
どうしても、現在の状態に対して、ダメ出しして
もっと、もっと、となりがちですが、
続けていれば前進しているのですね。

ピアノは一足飛びには、上手くならないですが
やったらやっただけ、ちゃんと返ってくるのです。
ここが信頼できるところ、嬉しいところです。

未来のお楽しみのために、コツコツと貯金をためていく
という感じでしょうか^^

2013年2月17日日曜日

「好き」を道標にする

ピアノを習い始めの頃は、お下がりのオルガンを使ってました。
出張レッスンで先生に来ていただいていたので
本物のピアノに触る機会は、なかなか無く憧れていました。

両親との約束はバイエル上下終えたら、ピアノを買ってあげる
というものでした。
約束どおり1年でバイエルを終わらせました。

さぁ、ピアノ!!となった時に、ピアノの先生からアドバイスを頂きました。

「まなみさんは、手が小さいからピアノは大変だから、エレクトーンに
されたらいかがですか?」

わたしもですが、両親もちょっとショックを受けました。
家では親もショパンのピアノ曲などが好きで
よくレコードをかけていました。
キラキラした音を聴きながら、ピアノに憧れていたのです。

エレクトーンも当時とても流行っていて
様々な音色やリズムが華やかで
習っている方も多かったと思います。

先生の言うとおりかも知れない。
エレクトーンもかっこいいしなぁ~
どうしよう???

小学3年生の頭で考えました。
でも、頑固というか、好き嫌いがはっきりしているところがあって
モヤモヤしている自分の気持ちがわかってました。

両親は「でも、ピアノの音が好きだから・・・」と
先生に伝えていました。

先生の言ったとおり
小さな手はやはり苦労をしましたが
音楽教室の講師になった時に驚いたのですが
意外や意外、手の小さな先生が多かったのです。

そして、ビックリすることがおきました。
両手とも1オクターブしか届かなかったのですが
おととし、右手にオクターブが沢山出てくる曲を弾いていて
練習しながらも
「これは弾けるのかいな?」と半ば諦めていました。

腕を伸ばし指をびよ~んとガムみたいに伸ばし緩めて弾く
という練習をゆっくりゆっくりしていたら
9度、ドからレまでとどくようになっていました。

まさか、この年齢で指が伸びたわけではないので
緩めることで、とどくようになったんですね。

現在、あの分岐点を振り返ると
やはり、「好き」の方に行ってよかったな、と思います。

そして、肩を押してくれ、わたしを信じてくれた両親に感謝してます。
練習が嫌だったり、他人と比較して落ち込んだり・・・
ということはありましたが、
一度もピアノのことは嫌いになりませんでした。

ピアノはいつも大好きでしたし
ピアノが見せてくれる世界があったからこそ
いままで、生きてこれたように思えます。

「好き」という一見単純に思える感情・動機は
自分の深いところと繋がっていて
人生の道標になっているんだなぁと思います。

2013年2月8日金曜日

3月のコンサートあれこれ

今年の3月は、コンサートが目白押しで
昨年からとても楽しみにしていました。

フランスのピアニスト シプリアン・カツァリスのコンサートから
始まり・・・
宇治田先生主催のチャリティコンサート
私も少しお手伝いする三野友子さんのライアーコンサート

自分が出る発表会もあるのでした。。。
これは忘れたいけど、忘れられない現実ですね^^;

カツァリスのコンサートは実は1年前に公演キャンセルになったものの
振替公演です。

理由は「腱鞘炎のため」
ん~~そんなに激しい練習をしたのだろうか?
確かにベートーヴェンのピアノ協奏曲皇帝を
ピアノソロにご自身で編曲した演目があったけど、
その曲の練習のしすぎかな?

1年後なんてね~~と思っていましたが、近付いてきました。

教育テレビ(いまはEテレ?)の「ショパンを弾こう」を見てたので
楽しみです。
音楽表現のたとえを何ともいえない詩的な言葉で伝えられるんですよね。


3/9(土)に、鎌倉の恩寵教会で行われるチャリティーコンサートは
「祈り」をテーマに東日本大震災復興支援のために
企画されたものです。

今回は豪華なプログラムで、復元納棺師の笹原留似子さんの講演
女優の田中美佐子さんの朗読、世界的なギタリスト鈴木大介さんの演奏と
わたしもとても楽しみにしています。

16時の公演はまだ、お席があるようですので
春の鎌倉散策を楽しみつつ、お出かけになられたらいかがでしょうか?

こんなに豪華なのに、入場料が2千円です!
HP→こちら☆からのご予約をおすすめいたします。


そして、わたしも受付で参上いたします三野友子さんの
「ライアー春風コンサート」が横浜・菊名にて3/17(日)開催されます。

ライアーというと、映画「千と千尋の神隠し」の木村弓さんの主題歌で
有名になりましたね。
ポン、ポン、と弦を爪弾きながら歌われる姿に癒された方も
多いかと思います。

三野さんの歌声・ライアーの演奏はHPの動画で聴くことができます。
→こちら☆

わたしはこれで充分だなぁ~と思うくらい
聴き心地がよかったのですが
主催のかおりさんによりますと
「生の音の方が全然良い!」ということで
音楽はやはりなんでも生なんですね。

おなじみの「さくらさくら」から、ケルト民謡(楽しみ!)オリジナル曲まで
本当に春風が吹きそうなプログラムです♪

詳細はこちらから→こちら☆
かおりさんことスタジオフランチェスカさんの主催です。

偶然ピアノの生徒さんが、以前ライアーを習われていて
お話していたら
「弾くだけで癒されるのよ~」とのこと。
あ~いいなぁ・・・

これだけ、音楽媒体も進化して
どこへでもいつでも音楽が持ち運び聴ける時代ですが、
やはり、演奏者や楽器と同じ空間を共有して
空気の振動を通して文字通り肌で感じてみることは
わたしたちの心や魂や身体を大きく揺さぶると思います。

わたしはコンサートへ行くと不思議な体験をすることが多いです。

デジタル音が溢れる世の中ですが、
アコースティックのコンサートは、とても良いものですよ♪

2013年1月31日木曜日

幸せになるためのピアノ

ブログを始めて一年、マイペースではありますが、続けられたこと
いつも読んでくださる方々に感謝の気持ちでいっぱいです。

このブログのタイトルを「幸せになるためのピアノ」としたのには
理由があります。

ショッキングなことではありますが、
ピアノとの関わりの中で、傷ついている人が
沢山居るということです。

以前のわたしもその中のひとりですが
何かを真剣に求めようとする時には
様々な形で壁にぶつかることがあると思うので
ピアノに限らず、どんなことにも当てはまると思います。

壁を乗り越えることは、大きな成長へと導くので
決して悪いことではないし
その過程で学ぶことも沢山あると思います。

けれども、乗り越え方、ちょっとしたサポートがあるのと無いのとは
方向性、進度、が、かなり違ってしまうこともあるのです。

「ピアノを弾く」ということは
からだを使っていき
「感覚」というとてもあやふやなものが奏法の軸となっていくので
なかなか、曲を聴くだけ、フォームを覚えるだけでは、
核となるところへはたどり着けないのです。

小さな頃から、様々な先生方に教えていただき
「こうした方がよい」とアドバイスは受けてきましたが
どうしたらそういう風に弾けるのか?という方法については
なかなか掴めないでいました。

自分なりに出した結論としては・・・
「先生たちは、みんな 手が大きいから弾けるんだ。
わたしは手が小さいから先生たちは私の手の扱い方を
想像できない。」

なので、わたしは自分なりに工夫して自分でやるしかない。
というものでした。

一人でやろうと決心したものの
今まで習ってきた方法しか、わたしは知らないのです。

結局、「根性」で反復練習に行き着くことになりました。
きっと、わたしは「頑張り」が足りなかったのだろう。
皆はきっと、もっと「頑張っている」はず。。。

ある程度のところまでは、うまくなるのですが
手が小さいのに無理していたので
とうとう手首を痛めてしまいました。

手を痛めているのに、ここでも、自分を責めるんですよね。
「何で、こんな弱い手なの!?」

わたしの例をあげましたが、
こんな例はザラだと思います。
子供だって、指や腕が痛くなるまで練習している子は
たくさん居ます。

宇治田先生と出会い、
やっと、「感覚」「脱力」の大切さをやり方も含めて
教えていただいて
本当に、目からウロコが沢山剥がれ落ちました。
まだ、日々、剥がれ落ち続けています。

ピアノがとてもポピュラーで
かつ、魅力的な楽器であるがゆえに
ピアノを弾こう!と思うかたはたくさんいるのですけれど

世間には「ピアノぐらい・・・」という見方もあるのかもしれませんし・・・

けれど、ピアノはとても難しい楽器なんですよね。
すでに、たくさん頑張っているのに、
「頑張りなさい」なんて、軽く言って欲しくないのです。



そして、レッスンでは、コワ~イ先生がピリピリして
横に座っているなんて・・・
もう、それだけで、からだがカチカチに緊張しちゃいますよね。
ピアノは気合で弾くものではありません。

今までの指導のあり方を含めて
ピアノレッスンには、見直すことが沢山あると思います。

ピアノとの関わりで、傷ついてしまった人達
傷ついてもそれでも、まだ、ピアノが大好きで
ピアノを愛している人達

大丈夫です。
ピアノとゆっくりと仲良くなりながら
そして、心地よく演奏できる日が必ず来ますよ!
と、お伝えしたいです。

2013年1月16日水曜日

両手の合わせ方

ピアノが両手奏になって、難しくてやめました。
というかたは結構います。
両手奏は、最初の難関なのかもしれませんね。

両手奏の導入として、リズムだけを取り出して
両手のリズムを練習してもらい、
もう、大丈夫、と思っても
実際にピアノを弾く段階になると、
緊張もあると思うのですが、つまづいてしまうことも多いです。

「片手だけだったら、簡単なのに~」

何度このセリフを聞いたことでしょう^^
本当にね、なんで、ピアノは両手なんでしょうね?
楽器の王様と呼ばれ、ソロピアノでも
華麗な表現力のあるピアノですが

弾く方は、頭がこんがらがっちゃうほど
最初は、自分が何をやっているのか?
やろうとしているのか?
わからなくなるほどなんですよね。

いきなり、両手に挑戦するチャレンジャーさんも多くいますが
右手と左手を縦のラインで合わせようとするため
ブツブツと音楽が途切れ、途切れで
拍がとても目立って聞こえてしまったりします。

おすすめの方法は
まず、片手ずつ止まらないで弾けるように練習します。
長い曲の場合は1段ごととか、4小節、8小節ごとでも良いですね。
左は、伴奏になっていることが多いと思いますが
こちらも、長さや休符をきちんと数えながら弾きます。

次に、左手を弾きながら、右手のメロディを声で、ドレミ唱で歌います。
メロディが重音・和音のところは、一番上の音だけを唄っていきます。

ピアノは音域が広いので、声が出ないところもたくさんあると思いますが
音程をきちんと取れなくても構いません。
リズムはしっかりと取ります。
「音痴でもいいよー」
「お経みたいでも大丈夫」
とお話してます。
音程が1オクターブ上下しても唄いやすい方で構いません。

左手の伴奏を弾きながら、メロディをうたっていくと
この和音の時に、このメロディなんだな~とか
右と左のリズムがずれる感じを覚えられたり
右手を弾くのは難しくても、声で唄うのは簡単なので
両手奏の前に、この方法でやると
両手がすぐにできるようになります。

ただ、ただ、縦のラインで合わせていくより
横の流れや、コード進行が覚えられるので
音楽的でもあります。


楽譜に書き込んで、この順番でやってね、と言うのですが
もどかしいのかな~
一足飛びに「両手!!」のチャレンジャーさんが多いのですよね。

両手で弾くことは、見てるよりもやるほうが本当に大変なので
段階を踏んだほうが結局早いです。

指や手は、頭で考えるように、すぐには理解できません。
よく「手に脳みそないよね~?指に脳みそないよね~?」と言います^^
実際に動かしていくので、
トレーニング・その動きに慣れる時間・感覚が必要なのです。

なので、自分がスポーツチームの監督さんになったつもりで
指や手は選手達
ちゃんと、指令を丁寧に出していかないと、動けないんだよと
お話したりします。

ピアノの習い始めのころほど、この指令回路をしっかりと地道に
作っていくことが、大切だと思います。

2013年1月8日火曜日

初レッスン

無事に1/5に、ピアノレッスンを今年も始めることができました。
レッスンを予定していた方々がみなさんいらしてくれて
元気な顔が見れたことが、嬉しかったです。

子供たちの顔が輝いていたのは
やっぱり、お年玉のせいでしょうか?

今年はどんなことをしようかな~~?

昨年は、発表会を2回も行い
連弾をテーマにしたり
ピアノ曲を聴きながらパステル画を描いてみたり・・・

やってみるとうまくいって、
それぞれ良い経験をすることができました。

生徒さんは、あれこれ思いつく先生に
?な思いでいっぱいだと思いますが、
一緒に楽しみ、表現してくれたら嬉しいな、と思います。

年賀状で、以前レッスンに通ってくれていた生徒さんから
ご挨拶が届くこともあります。

添えられた写真を見ると、
まぁ、すっかり背が伸びて・・・
きっと、わたしより大きいんだろうなぁ
そう思うと、眩しい気持ちになります。

変わらず、ピアノを弾いているとひとことあると
本当に嬉しく
ピアノがあまりひけなくて・・・とあっても
元気で忙しくされていることが伝わってきて
それぞれの場所で成長していってるんだなぁと思います。

今年もピアノを通して、音楽を通して
沢山の方々とつながり合えますように♪