よくレッスンで「手の中の力を抜いてね~」と言います。
手の中ってどこ?と思われるかもしれませんが、
厳密に言うと、手のひら側の力です。
手を握り締めたりすると
ぎゅっと力が入りますよね。
わたしも、自覚なく手のひらに力を入れていた口なので
初めて聞いた時に「へ?」って思いましたけど
いまでは、この力がほかの動きの妨げとなっていることが
多いことをつくづく感じます。
よくピアノ導入の教本で見る
手をまあるくした写真やイラスト
この形にしようと思うと、普通はちからが入りますよね。
形を作ってしまおうとしますものね。
色んな教本に色んな説明が書いてますが
わたしが気に入っているのが
自分の膝に手のひらを沿わせてみて
自然にまあるくなった形を
そのままピアノの鍵盤の上に乗せるという説明です。
ふわっと乗せると思えば、より良いと思います。
最近、図書館で借りた「ティーナとピアノ」という絵本は
ドイツ人の方の本ですが
これにも、面白い説明が載ってました。
「手の中に小さなねずみを飼っていると思ってね。」とピアノの先生が言っていたのです。
手の中をぎゅっとしてしまう子には、わたしも「手の中にひよこがいると思って。あんまり、
ぎゅっとすると死んじゃうよ。」と
やや、脅迫ぎみな説明で伝えたりしました(笑)
万国ピアノの先生会議をしたら、色んな説明が聴けそうですね!
手の中に力が入ると、指の付け根も速く動かせません。移動するのも大変です。
とにかく、ちょっとした動きがスムーズにいかなくなります。
手の中に力がはいってる生徒さんは
みんな頑張り屋さん!
ピアノも頑張ってるし、練習もしてくる
お勉強もスポーツも
なんでも、頑張ってやります。
そして、いつもきちんとしています。
大人の方も、そうです。
いつも気遣いのできる素敵な方がとても多いです。
たぶん、だら~~とすることが、少ないのかも
いつも全力投球なんだと思います。
やろうと頑張らなくても身体はうごいてくれるのですよね。
目くじらを立ててわたしも指を信用せずに
これしろあれしろもっと頑張れと
指に長いあいだ命令してきましたが、
指はちゃんと動き方を知ってるんですよね。
お任せしたほうが、うまくやってくれる。
まだまだ、からだの能力をすベて引き出すには程遠いですが
どう動きたいの?こうの方がラクなの?
といつも体に寄り添うような気持ちでいれば
自分の最大の味方になってくれると期待しています。