いまの子供たちは、とても忙しい毎日を過ごしています。
わたしが子供だった頃からは比べものにならない程。
たくさんのお稽古事に通い、
塾にも通う毎日
そして、もちろん学校にも
そんな中で、ピアノという、地道に付き合っていかないと
上達していかないもの
コツコツとした積み重ねが必要なものを続けていくことは
はっきりとした形が見えづらく、モヤモヤとした気持ちになるのかもしれません。
レッスンで、生徒さんが「こうやってみて」とわたしが出した指示を
やってみる前から「出来ない、ムリ」と言うことがあります。
「最初はゆっくりでいいんだよ」と言っても
ゆっくりさらうことは、カッコ悪い、もどかしい、と思ってしまうようです。
いまは、スピード・簡単さを求められる時代
何でも、すぐさま結果が出ることが良し!とされます。
でも、本当に大事なことって、そんなにすぐ手に入りませんよね?
ある程度時間が経たないとわからないこともあり
子供たちに、こういうことをわかってもらうのは、難しいかもしれません。
「うまくできない」ことに向かい合うのも勇気がいりますよね。
そんな時に、最初から上手に出来る人はいないこと
ゆっくりキチンと弾けないと
速くキレイに弾けないこと
逆に、ゆっくりと弾くことは、難しいんだと説明します。
それでも、「ムリだ」と言っていた生徒さんには
とっさに、「自分を信じなさい」という言葉が口から出てきました。
あとから、難しいことを言っちゃったかな~と思いましたが
その言葉を聞くと、生徒さんの顔つきがキリッと変わり
ゆっくりと課題を弾き始めました。
何かを感じてくれたのかもしれないな~と思います。
ピアノは義務教育ではないし、
生きること、生活にそのまま直結するようなものでもないし、
どちらかというと、心の豊かさを育むものですよね。
心の豊かさを作るものは、他にもたくさんあります。
個々の好みもありますし・・・
でも、こうやって、機会が与えられ、ピアノに触れられる時間を持つことが
出来るのであれば、
何かとじっくりと向き合うことの大切さ
すぐに結果を求めない心の余裕
1つ1つ丁寧に手や指を含めて、自分自身を育てること
そんなことを小さな頃から体験し学ぶ時間にしてほしいなと思います。