「虹の彼方に」という有名な曲があります。
冒頭のメロディ、最初の音からいきなり1オクターブ上の音へ
演奏していたわたしは
「そんなに簡単に弾かないで!」とジャズピアノの先生に言われてしまいました。
はじめは、何を言われているのか分からず・・・
先生はそのメロディを歌ってみせてくれました。
お腹に力を入れないと、いきなりのオクターブは
とても歌えません。
音と音の間に繋がるエネルギー
まさに虹が空に掛かるように、大きく伸び伸びと
広がる力強いエネルギーです。
わたしは、音を点と点としてしか、捉えていませんでした。
ただ、音が移動しただけ
音と音の間を意識できていませんでした。
それ以来、メロディを口に出して歌ってみることは
大切だと思ってきました。
ピアノの鍵盤上では、指を少し動かしてポン!と簡単に
弾けてしまうことが落とし穴なんですよね。
指を動かすことに気を取られ
指で歌うことがおざなりになってしまいます。
ジャズのレッスンでは、いわゆるスキャットと言われるものを
歌いながらフレーズを弾くことをよく練習させられました。
ちょうど、おしゃべりのイントネーションみたいに
細かいアクセントや、強弱が付くので
その微妙な表現を口で歌うことで
指に繋げていく作業でした。
クラシックの場合は、長い音を使ったメロディも多いので
音が伸びている間
音と音の間
音がどこへ終着していくのか?
大きな流れ、エネルギーが動いていくのだと思います。
五線譜の横のラインに交わる
音符の縦の線ばかり見ていると
音楽の流れが想像できなくなってしまいます。
前に切り絵作家の蒼山日菜さんの
楽譜を切り絵にした作品を写真で見たことがありました。
立体的な楽譜といった感じです。
五線が曲線にもなっていて美しかった☆
音楽が聴こえてくるようでした。
こんな楽譜だとイメージしやすいのになぁと
思った記憶があります。
エネルギーが動いて流れていくことを
いつも体感しながら弾いていけたら、と思います。