昨年、「音楽のお手紙」というテーマで
発表会を行いました。
生徒さんが発表する曲をお手紙に見立てて
どなたかに、自分の想いを曲にのせて届けましょう。
という企画です。
ただ、曲を弾く、ということだけでなく
聴き手の方のことを想像して
自分の伝えたいことを伝えてみよう!
こんなことに、チャレンジしてもらいました。
小学生から社会人の方まで
皆さん、それぞれ悩みながらも
取り組んでくださいました。
「音楽のお手紙」作成シートというのを
皆さんに記入してもらい
自分が誰に聴いてもらいたいのか?
どんなことを伝えたいのか?
相手の方に、どんな気持ちになってもらいたいのか?
を考えていただきました。
「難しい、難しい~」
とみんな悩んでいましたが
曲を弾く際に、丁寧に取り組むようになる、とか
誰かのために・・・と思うと気持ちが引き締まったり
音を出す時に、無意識に弾かなくなる等
変化を感じることがあるようでした。
ある生徒さんのレッスンをしていた時に
もともと、歌の曲をピアノソロにアレンジしたものを
弾いていたのですが
原曲にあるメロディの柔らかさや流れのようなものが
欠けて聴こえてしまっていました。
作成シートを見ると
お母さんに宛てたお手紙の様です。
「お母さんにこの曲を聴いてもらって、どんな気持ちになってもらいたいの?」
と聞いてみました。
「やさしい気持ちになってもらいたい!」
「それを音で伝えましょうか?」
次の瞬間、生徒さんが弾き始めたメロディは
とてもやさしくうたわれていて♪♪♪
わたしは本当にビックリ!!しました。
指をこうしてとか、技術的な指示はせずに
ただ、お母さんへの想いを聞いただけです。
あとから、教えていただいたのですが、
この曲は、お母様が大好きな曲なのだそうです。
こういう風に弾きたい!という強い願いが
指の動かし方やタッチを変えてしまったのでしょうか?
改めて、人間の能力の素晴らしさや
無限の可能性を知ることになりました。
生徒さん達の「音楽のお手紙」は
家族へ
震災で被害にあわれた方達へ
アフリカの国の小さな女の子へ
国境を越えて世界へも広がり伝わったことと思います。
リズムや音でコミュニケーションを取っていた時代もありました。
音楽のもっている根源的な力を
もっともっと、信じて
もっともっと、輝かせていくことができるに違いないと確信しています。