2012年8月15日水曜日

タッチポイント

ピアノは鍵盤を動かすことが出来れば音が鳴ります。

簡単に音は鳴ってしまうので
どんな指の状態でも、一応音は出ます。

でも、その曲に合った音色、弾きやすさ、
鍵盤と繋がってる感覚、安定感を求めていくと

指先のどこで鍵盤と繋がっていくか?が
大事なポイントになります。

指先部分でも、微妙にすこしずれても
感覚が違います。

触覚というものを使っていくのですが
やはり、指先の先端部分が
一番、触覚が優れています。

よく生徒さんに
「こちょこちょする時の指の形をしてみて」というのですが
(こちょこちょというのは、くすぐるということですね^^)

みんな指先に集中して、ちょっと身構えるような感じになります。
形だけでなく、指先の神経を研ぎ澄ましています。

この部分をタッチポイントと呼んでいます。
樹原涼子先生のピアノランドシリーズ「たのしいテクニック」の中に
詳しい説明も載っています。

ここを意識するために、指の体操のようなものをやります。


写真のように、自分の指先を1本ずつ合わせて
アーチ型になるようにします。
この時、指の関節が弱いと、ぐにゃっとなったりもします。
なるべく形が整うといいですね。

そして、誰かの指と片手ずつ押し合いっこもしてみます。
相手が右手で自分は左手というようには、なってしまいますが
指先に集中して、ゲーム感覚で遊びながらやります。

このようにして、指先の感覚を取り戻していき
タッチポイントで弾いていくことで
安定感もあるし、音も鳴るし
速いトリルなんかも、弾きやすくなったりします。

指を伸ばしてペタペタ弾いてしまうと
速い動きはもちろん出来ないし
音もギュッとした濁点がついたような音に聴こえてしまいます。

日常生活では、ほとんど使わない部分だったり
手首を高く保ったり、あるいは脱力して弾いたり

たくさんの奏法があり
身に付くまでは、時間がかかりますが
そちらの方向に進んでいくよ~という確かな意識があれば
間違いなく進歩していきます。

タッチポイントで弾いていくと
指先のお肉が増えていきます。
指先を揃えて見てみると、ポコッと丸くなっています。

エレクトーンの先生と比べたことがありますが
やっぱり、ピアノの先生の方が
お肉がたくさん付いていました。

なので、カパカパの軽い鍵盤の電子ピアノですと
なかなか、タッチポイントを習得するのは
むずかしいかな~と思います。

ピアノは音を作っていくことを要求されるので
無意識に音が鳴ってしまうようでは、練習にならないのです。

住宅事情もあり電子ピアノを使用される方も多いのですが
出来たら鍵盤のことを気にかけられると良いと思います。

タッチポイントは指先の本当にささやかな部分なのですが
たくさんの音色を作り出す源なのですね。