2012年2月13日月曜日

自分を阻むもの

宇治田先生にレッスンを受け始めてから
生徒さんがピアノを弾かれる際の
体の動きを
よく観察するようになりました。

ピアノは手指だけで弾くものではなく
体は繋がっているので
すべてに影響し合っているのです。

自分から見える手指などは
注意が向きやすいのですが
姿勢や肩、肘のこと

椅子に座る時の重心の取り方
足のことなどは
気付きにくく

習慣によるクセもありますし
その方ならではのクセもあります。

音を長く響かせたい時には
腕を前のほうへ伸ばすようにして
指先へ重みをゆっくりとかけていくのですが

なかなか音が響いてこない場合があります。

指先はとても丁寧に
鍵盤の中へ入れていこうとされているのに
音があまり出てきません。

少し離れたところから
からだ全体を見ると
肘が脇にピタリと付いたまま
上半身も前かがみになってしまっています。

肘が脇に付いていると、腕を伸ばせません
一生懸命、鍵盤の中へ打鍵しようとされていましたが
下腕だけを伸ばしていました。

スタイルの良い方だからこそ
それこそ弾けていたのですが・・・

「わたしだったら、腕が短いから弾けないと思うよ~」と言いながら
肘を脇に付けた時の演奏と
肘を脇から外し、緩めたときの演奏を
見ていてもらいました。

すぐに理解していただき
実践してみます。

「あ~ラク~です。」

そうなんですよね、何てことないんですよね。
あんなに苦しかったのに、ラクラクなんです。

指先の鍵盤との接地面であるタッチポイントを
少し感じてみる練習をして

感覚が芽生えたところで
腕を伸ばして指先に自然に重みをかけてみます。

ステキな響きがしました
ここは教会ではないけれど
天井の高いところで弾いているような
音が空気になった感じ。

それをまた体で受け取り感じてもらいます。

肘を脇に付けていたのは
しっかりと弾かなくちゃという思い

上半身が傾いてしまっていたのは
手指のことを監視してしまうクセ

伸ばそうと思っていても、うまくいかなかったのは
うまくいかないかも~
大丈夫かなぁと
心配する気持ちだったのかも知れません。

不思議ですが、自分を阻むものは自分なのかも知れません。

不安、心配を手放して
音を間違えても死ぬことはありませんし(笑)

委ねていけば
気持ちの良い音の中で
リラックスする自分を発見できるのだと思います。