ピアノは、指先だけを動かして
弾いているように見えるのですが
実際には腕全体から肩甲骨のところまで
すべて影響し合っています。
よく言われる「脱力」が
とても重要になってくるのですが
これが、とても難しいのです。
「力を抜いて・・・」と言われても
そうしているつもりなのに
まだまだ、力が入っていることが多いのです。
こんな時に、脱力の感覚、腕の重みを感じてもらうために
やっていることがあります。
生徒さんの手の平に、わたしの中指や人差し指などの指を
1本乗せ腕の脱力をして
指先にすべての重みを乗せていきます。
手の平で支えきれない程の重みに
生徒さんは
「先生、押してるんでしょ?」と聞きます。
決して、力で押しているのではなく
ただ、力を抜いているだけなのです。
今度は、交代をして、
わたしの手の平に、生徒さんの指を1本乗せ
その指だけで、重みを支えてもらいます。
なかなか、脱力が最初は出来ないのですが
「あなたの腕、こんなに軽いの?ホント?」と言いながら
どんどん、緩めて指先に乗せていってもらいます。
こうして、腕は意外と重い!ということに気が付いて
いきます。
重みをたくさん指先へかけていくと、フォルテが出ますし
うまくコントロールすることで、
弱い音から強い音まで幅広いダイナミクスが表現できることになるので
やはり、指先の感覚と合わせて
脱力は大切なんですね。
どうしても、緩められないときは
立ってもらい
歩行の時の、腕の状態にしてもらい
指先1本を手の平に乗せます。
歩行の時には、自然に腕は脱力しているので
指先に手の平を当てるだけで
重みが伝わると思います。
わたしも、からだが小さいから、
大きな音は出せないと思い込んでいましたが
重みの乗せ方がわかってくると
大きな音も出せるようになってきました。
力を入れるのではなくて
力を抜くことが、ポイントなんですね。